見た目きれいな「CONTAX139クォーツ」ゲット
こんにちは、ノブノブです。
最近、またまたハードオフ巡りが頻繁になりまして、暇さえあればジャンクコーナーで時間を潰しています。
先日も、とあるハードオフのショーウィンドー内にCONTAX139クォーツを発見。
値札には「ジャンク品」としつつも12,000円の値段がついていました。
ん? ジャンク品にしてはかなりな高値。
しかし、見たところかなり程度は良く外観は「美品」レベル。
139クォーツにありがちな外装の皮はがれもなく、大きな損傷も無さそう・・。
店員さんにショーウィンドーを開けてもらい、テスト電池をお借りして動作確認をしてみました。
露出計も作動し、AUTOでシャッター速度も変化し、シャッター幕もきれい。
コンタックスの持病「ミラー落ち」も無さそう。
ファインダースクリーンに若干の汚れはありましたが、ふきふきすればきれいになる?
モルトも貼り替えてありました。
実はコンタックスカメラは、すでに2台所有しています。
RXはモーター巻き上げ機で重量級。S2は手動巻き上げのマニュアル機ですが、露出計表示がわかりずらく使いずらい。
手動巻き上げ派のノブノブとしては、自動露出で軽量の139クォーツを以前から探してはいたのです。
しかし、発売以来約45年経過のカメラなので、中古カメラショップやハードオフでもほとんどお目にかかりません。ましてや美品などは「もっての外」でした。
そんな中、今回手にした見た目きれいな139クォーツに飛びついてしまいました。
やはり落とし穴が・・・
いそいそと自宅に戻り、プラナーT*50㎜ F1.4をつけてテスト撮影開始。
ところが、10枚くらい撮ったところでふと気が付いた・・・。
ん? ファインダー内上下でピントが合わない!!!
中心部ではピントが合って見えるのですが、上下ではぼやけて見えるのです。
レンズを外してマウント部から覗いてみると、ミラーの取付がわずかに斜めになっているように見えます。
直感したのが、素人によるミラー落ちの修理です。
CONTAXカメラの持病であるミラー落ち。ミラーがずり落ちてくるのです。
このCONTAX139クォーツもミラー落ちしたのでしょうが、その際おそらく素人が自分で貼りなおしたのでしょう。
ミラーは正確なピント合わせのための重要なファクターです。
いい加減な補修をすれば、当然ピント精度が落ちます。
購入時にレンズを持参していなかったので、ピント精度まで確認できなかったのが敗因です。
(ちなみにテストフィルムを現像したらすべてピンボケでした)
返品も考えましたが、ミラー以外に不満はないので、さしあたり修理見積りをしてみることに。修理費が安ければ修理して使おうと。
CONTAXカメラを今でも修理してくれる「リペアサービス諏訪」へカメラを直送。
2週間ほどして見積の返答・・やはり素人によるミラー補修だったようで、修理代は送料込みで8,800円(保証なしの限定修理)。
購入費と合わせると20,000円越えですが、欲しかったカメラなので修理してもらうことにしました。
修理期間は2か月かかるとのことでしたが、約1か月半で戻ってきました。
上質で軽快な操作感
CONTAX139クォーツは、当時のヤシカが新生CONTAXブランドを立ち上げた第2弾目のカメラでした。
1号機がCONTAX RTS。プロユースを意識した最高級機。当時の価格が102,000円(ボディのみ)
リアルタイムシステムと銘打ってマイクロスイッチシャッターを採用するなど意欲的なカメラですが、シャッター幕は布幕横走りで、当時としても若干見劣りしたカメラでした。
2号機がCONTAX 139クォーツ。当時の価格は66,800円(ボディのみ)で普及機の位置づけですが、シャッターは金属膜縦走りに変更され、世界初クォーツ制御が採用されるというヤシカの意気込みが感じられるカメラです。
しかしCONTAX139クォーツの魅力は何といっても上質で軽快な操作感覚と思います。
電子レリーズはストロークは短く、軽く押すだけで反応します。
小さなシャッター音も好感が持てます。
フィルム巻き上げは軽くスムーズでフィルム装填後も重くなりません。
ファインダーも明るく、ピントの山も掴みやすく、ピント合わせが楽しい。
本体重量は500g。コンタックスカメラの中では、ARIAに次いで最軽量クラス。
プラナーT*50㎜ F1.4を装着しても790gなので、長距離散歩のお供もできる。
(ちなみにCONTAX RXはボディのみ重量が810g)
新生CONTAXブランドとして普及機にも手を抜かない物つくりをしていたと思います。
そんな139クォーツですが、もちろん不満点もあります。
1,シャッター半押しで露出確認ができない。(ボディ前面の確認ボタンをいちいち押す)
2,AEロックの操作がしづらい。(ボディ前面レバーを引きながらシャッターを切る)
3,露出補正が1段階でしかできない。(1/2,1/3はISO感度で補正)
いよいよ実写!!五感を刺激
さて、修理後のテスト撮影。
ピントも安心になったことで、わくわくの撮影でした。
見やすいファインダー、巻き上げの気持ちよさ、小気味よいシャッター、Zeissレンズのヘリコイドの滑らかさ・・・などなど、五感を刺激しまくりです。
全自動のデジタルカメラでは味わえない満足感です。
かつては写真家・織作峰子氏が愛用し、赤瀬川原平氏が「つい持ち出したくなるカメラ」と評したCONTAX139 クォーツ。
さらに赤瀬川氏は、いわゆる普及機を「鰹節カメラ」と揶揄した上で、CONTAX139 クォーツを「やはり念入りに造られた上質な鰹節カメラ」と評した。言い得て妙である。私も全く同感であります。
ZEISSレンズは重量級も多く、ボディが軽いとバランスが悪い場合もありますが、手に収まるこの139 クォーツは、私にとっても「つい持ち出したくなるカメラ」として、出番が大いに増えるでしょう。