こんにちは。ノブノブです
最近はデジタルカメラばかりになりましたが、デジタルカメラは撮った直後に仕上がりがモニターで確認できます。
ですから皆さん、本当に頻繁にモニターを確認しています。
先日ある方の結婚式で、プロのカメラマンがシャッターを押すたびにモニターを確認しているのを見て、何か頼りなさを感じました。そんなに自信がないのだろうか・・・・
我々フィルム世代は、現像するまで仕上がりがわからないことが普通でした。ですから、仕上がりを予想して撮影する技術を磨こうと努力してきました
デジタルカメラを使うようになっても同じことで、結果的にモニターを見なくてもおおよその仕上がりはわかります。
でも時々、この予想が外れて悲しい結果になったり、うれしい結果になったりします。
今日はうれしい結果になった作例をご紹介したいと思います
デジタルになったら特色が出づらくなった?
私の感想なんですが、デジタルカメラになってから写真が「おとなしく」なってしまったと思うんですね。
デジタルカメラは電子処理によって撮影時にいくつかの補正をしてくれます。
色の調整は「オートホワイトバランス」で。
明るさの調整は「オプティマイザ機能」(メーカーにより表現が異なります)などで。
結果的に明るい所も暗い所も、そこそこ均一に再現してくれるので無難な写真が取れます。
一方フィルムカメラはホワイトバランス機能もなければ、オプティマイザ機能なんてのもありません。
レンズとフィルムの性能こそが命です。
ですから、良いフィルムと良いレンズを使って、明るい所も暗い所も捉えようとします。
それでギリギリ再現できても電子処理をして再現するほどの能力はありませんから、明るい所は飛びやすく、暗い所はつぶれ易くなります。
でも、このフィルムの限界こそがインパクトのあるフォトジェニックなコントラストと発色を生むと思うのです。
リバーサルならではのコントラストが出せた
上の作例は、近所の公園で撮影しました。
遊具に日が当たり、色彩が面白いと思いシャッターを切りました。
木々の間から撮ったので、周りが暗く沈むことを予想して、マイナス補正して撮りました。
現像が終わって仕上がってきたら、暗部が予想以上に沈んでいたので、遊具の色彩が浮き出て結構インパクトのある作品ができていました。
フィルムの場合「飛びやすく潰れやすい」性質が効果的なコントラストを生み、何気ない被写体でもフォトジェニックになりやすい場合があります
特にリバーサルフィルムはラチチュード(許容範囲)が狭いので、この傾向が強いです
デジタルカメラのオートで撮っていたら、暗い所もあまり暗くならず全体的にコントラストの弱い画像になっていたと思います。
独特の発色を楽しもう
上の作品は、同じ公園での撮影です。
コンクリートの滑り台で遊ぶ子供たちを撮影したものです
この場合も仕上がったポジをみて、発色の独特さに喜びました。
実際の滑り台はもっと白けた赤ですが、仕上がった作品は濃い赤色になっていました。
アンダーに補正した効果と、夏の日に照らされた光源の効果の結果だと思います
夏の光は、暖色を帯びていて写すものを赤や黄色に偏らせます。
リバーサルフィルムは、その色の偏りをそのまま表現してくれます。
この状況をデジタルでオート撮影すると、オートホワイトバランスで忠実な色に再現してしまいます。
しっかりした赤が画面全体を構成したことでフォトジェニック(絵)になったわけで、白けた赤(忠実な再現)では、今一つインパクトのないものになっていたと思います
今回の2作例ともに、予想外の仕上がりに喜んだ作品です。こうした偶然の結果も、仕上がるまではわからないリバーサルフィルムの楽しみの一つです。
デジタルカメラでフィルムらしく撮る設定方法
今はデジタルカメラの時代なので、フィルムカメラをお勧めしても現実的ではありません。
でも、デジタルカメラでもフィルムっぽく撮ることはできます。
オートを外すのです。
おすすめの設定は・・・
- 「絞り優先モード」(AV)にする
機種にもよりますが、オプティマイザ機能が外れます。 - ホワイトバランスは「太陽光」(5600ケルビン)に設定する
光源による色の偏りが出ます - 測光方式を「評価測光」をやめる
おすすめは中央部部分測光です - ISO感度マニュアルにする
感度を自分で設定します。勝手に感度が変わり補正がかかることを防ぎます。私は100か400をよく使います。
これらの設定をカスタム機能にセットしておくと便利です。
「ここぞ」というとき、カスタム機能に変更して撮影してみてください
あと、もう一つ大事なのが「露出補正」です。露出補正で写真はがらりと変わります。
最初は失敗が多いと思いますが、撮影の楽しみが増すと思います。
まとめ
リバーサルフィルムで独特の発色とコントラストと偶然の出会いを楽しんでみましょう
フォトジェニックな写真を撮るなら、オートをはずして撮影しよう
露出補正は頻繁に設定して、仕上がりの違いを確認しよう