- ライカ「ノクチルクス50㎜/F0.95 ASPH」。文字通り暗い所で実力発揮?する銘レンズ
- 何を撮ったらいいの?
- 周辺光量はかねり厳しい
- ライカらしい質感とグラデーションの豊かさ、ぼけ味の美しさ。やはり100万の価値あり?
ライカ「ノクチルクス50㎜/F0.95 ASPH」。文字通り暗い所で実力発揮?する銘レンズ
カメラ愛好家の大先輩が、「ノクチルクス50㎜F0.95ASPH」を持っていた。
興味があると言ったら、「1週間貸してあげるから、使ってみな」と
なんと、タダで貸してくれた。
このレンズ、ご存じだろうか。
中古市場で程度が良ければ100万円を軽く超すレンズなのです。
こんな機会はめったにないので、頭を10回ぐらい縦に振って貸してもらった。
大先輩はライカM8につけて使っているようだが、私はデジタルは持っていないので
ライカM6に、プロビア100で撮影してみた。
明るさ0.95が示すように、F値が異常に明るい。
「ノクト+ルクス」は「暗闇+見える」という意味でもあろうか?(勝手な解釈)
何しろ人間の眼より明るい・・ということらしい。
何を撮ったらいいの?
F値がとても明るい・・ということは
- 暗い所で速いシャッターが切れる
- 被写界深度は浅いので、背景がすぐぼける
ということなので・・・
「暗い所で撮ってみよう」、「背景をぼかした作品を撮ってみよう」と、考えた。
普通ISO100のフィルムを入れると、実は日中はほぼf5.6以上を使う。
曇りや日陰でもf2以下を使うことはめったにない。
ライカM6はシャッターも1/1000までしかない。
f0.95なんて、使わない。
で、わざわざ暗い所で撮影しました。
あまり良い作品とは言えませんが、レンズテスト。
0.95開放で撮ると、ISO100フィルムで、こんな暗さでもシャッター1/15で切れる。
手持ちで撮影しています。
よく見ていただきたいのは、点光源のきれいなボケ味
流れたり、歪んだり、滲んだり・・全くない。
さすが100万円!?。
暗闇以外で開放値を使える画像を探そうとしたが・・私の想像力では見つからない。
結局このレンズ。0.95を使う頻度はどのくらいなのか?
周辺光量はかねり厳しい
純粋なレンズテストをしてみました。
曇りの日の日陰で、平面的なものを撮影。
解放から少しずつ絞っていきました
F4くらいでやっと、平均的な画質になったが、開放付近ではかなり周辺光量は落ちます。これも味といえば味ですが。
コントラストもとてもおとなしいので、普段ズミクロンを使っている身としては、物足りない画質。
ライカらしい質感とグラデーションの豊かさ、ぼけ味の美しさ。やはり100万の価値あり?
どんな絞りにしてみても、常にボケ味は美しい
また、やはりライカらしい質感描写は、日本レンズをはるかに上回る。
ハイライトもシャドウもグラデーションが失われない。
光の透過率が極めて高いことの証明でしょう。
怖いので一日でお返ししました。
やはり100万円ということが頭から離れず、もし落としたら・・、ぶつけたら・・・傷でもつけてしまったら・・・
ということばかり考えて、怖くなって翌日にはお返ししました。
たった一日でしたが、使ったうえでの感想は・・・・
- 柔らかいコントラストや周辺光量落ちなど、好みはわかれるが、質感、ぼけ味のすばらしさ、グラデーションの絶対的なすばらしさなど、レンズとしての優秀さは疑う余地がない。
- 故に、デジタルで撮影すれば元データの情報量が極めて豊かさなので、とても加工しやすく、作品の仕上げ易さは抜群と言えるでしょう。
- しかし重くて大きく、ピントリングも重いのでスナップとしての振り回しは鈍くなる。
- ズミルクスなどのレンズがあるので、F1.0 以上の明るさを必要とする状況が多発する場合を除いては、必要かな・・?
- 正直、やはり「カメラ愛好家」が持ちたがる機材なのかな・・?という印象が強かったです。
100万円のレンズを使いこなせなかった私の感想でした。