ノブノブのあすなろ奮戦記

写真、オーディオ、DIYなど趣味で定年後の自分を成長させる毎日

昔のレンズにカビが! 自分で分解清掃してみる

ニコンの古いレンズ Ai Nikkor 105/2.5Sにカビが生えてしまった

こんにちは。ノブノブです

30年以上前に購入したレンズに、わずかながらカビが発生してしまいました。

最近お蔵入りになって、ほとんど使っていなかったレンズです。わずかとはいえ、

カビは放っておいたらどんどん増えていきます。

かといって使用頻度の少ないレンズなので修理費(多分1万円越え?)は

もったいない。そこで自分で分解清掃することにしました。

昔のMF(マニュアルフォーカス)単焦点レンズは、構造が比較的簡単なので、

自分でもある程度まではできそうなのです。

 

分解前のお約束

    1. 分解等は全て自己責任。
      「分解して元に戻せなくなった」「一部パーツを破損・紛失した」「本来の性能が発揮できなくなった」など、全て自己責任です。他の方の記事など参考にした場合でも自己責任となります。こうした場合プロに修理依頼をすると、通常金額より高額になる場合もあります
    2. 分解の各ステップを写真にとる
      分解をしていく途中途中で、元の状態がどんな状態だったかを記録しておきます。特に複雑な構造の場所は、マクロで写真を撮っておきましょう。組み上げるとき参考になります。

    3. 精密機器用の工具を用意する
      極小のネジなどを扱いますので、精密機器用ドライバーなどが必要です。
      分解してみないとネジの種類や大きさがわからないので、プラスとマイナス精密用工具セットを用意したほうが良いでしょう。
      私の使っている工具です。先が細く、狭い所にも差し込めるので重宝しています。ドライバーは
    また今回は使用しませんでしたが、外した部品やネジをなくさないように小皿を用意しておくと便利です。

分解開始

カビはどこに生えているのか

レンズを前後から覗いてみます。

カビはレンズの中ほど、中心から少し外れたところにあります。

分解してもカビに到達できない場合もあります。

レンズ同士を接着剤でつけてある場所の内側などにカビがある場合は、部品交換しか方法がありません。こうした場合は、分解してもあきらめるしかありません。

一応、絞り羽根前後のレンズに生えていると予測して分解を開始します

Aiニッコールの分解方法

分解前に絞りは5.6に設定しておきます

このレンズは内臓フードを持ち上げてピントリングを最短撮影距離にすると、鏡胴に3つの小さなネジが現れます。

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ビスの位置。奥にもう一つある



ネジを1.2㎜のマイナスドライバーで外します(ゴマ粒のようなネジです)。

ドライバーはあらかじめ磁石で磁化しておくと、ネジがくっついてくるので

なくしてしまう可能性が減ります。

 

鏡胴を左回しに回して外します

 

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フード一体の鏡胴を外したところ。レンズ右下に見える点が極小ネジ3つ

レンズ上部をつかんでまっすぐ上に引っ張るとレンズ部本体が外れます

 

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レンズ本体を外したところ

レンズ上部を外す前に、鉛筆で位置の目印を付けます

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マイナスネジを指標に鉛筆で線を入れる。



レンズ上部を左回しに回して、外します。

絞りばねを境に前群レンズと後群レンズに分かれます

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後群のレンズも同じ要領で外します。

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後群のレンズを外したところ



レンズ後群の最初のレンズ表面にカビがありました。

  レンズのカビは唾液でとる

レンズのカビ取り方法ですが、私流の方法を紹介します

レンズにはコーティングと言って、薄い皮膜が塗装されています。

アルコール類などの薬剤を使用すると、このコーティングが剥げてしまう可能性があるので、ほとんど薬剤は使用しません。

では、どうやってカビをとるのか・・・!

実は、唾液とアルカリ電解水です。

自分の中指などに唾液をつけ、カビの部分にちょちょい・・とつけます。

そこにセーム皮をあてて、優しく優しく、時にはごしごしと細心の注意を払いながら、カビをとっていきます。

カビが取れるまで、唾液のこの作業を行います。

今回は小さなカビなので、一回で取れました。

 

次は「水の激落ちくん」を使って、再度レンズ表面を拭きます。

レンズクリーニングクロス数滴「水の激落ちくん」をつけて、丁寧に拭きます。

レンズを光にかざしながら、拭きムラが残らないように、よく確認して

拭きとっていきます。

 

補足ですが、私はレンズクリーニングクロスには東レの「トレシー」を使っています。

埃や油膜もきれいに落ちます。息を吹きかけて丁寧にこするだけで、きれいになります。撮影時には常に携帯しています。

 

 

カビは取れて、きれいになりました

レンズ組み立て方法

レンズをもとに戻していきます。

組み立てる前に、ブロワーでレンズ内の埃をよく飛ばしておきましょう。

前群のレンズを右回しにしてねじ込んでいきます。

しるしをつけたところまでねじ込みます。(ピント精度に係るので正確に!)

 

レンズ本体を鏡胴に戻します。

絞りリングが5.6になっているのを確認します。

絞り連動ピン(レンズについている平たいピン)と鏡胴内部の連動受けがはまるように

まっすぐ入れていきます。

 

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内側のU字型の金具が絞り連動ピン受け

またレンズについているガイドとヘリコイドのくぼみが合うように差し込みます

(差し込めない時は絞りリングを少し動かしてみます)

 

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マイナスネジ(ガイド)とくぼみを合わせて差し込む


セット出来たら、絞りリングを動かして、全ての絞り値で絞り羽根がちゃんと動いて

いるかどうか確認します。

マウント側の絞り連動ピンを動かして開いたり閉まったりするかも確認します

ちゃんと動いていればOKです

あとは、フードのついた鏡胴を右回しにギュッとしめつけ

外した3点の極小ビスを取り付けて、終了です。

 

テスト撮影

分解したので、本来の性能が維持できているかどうか心配です。

でも測定器がありませんので、実写して確認するしかありません。

 

ピントが最短撮影距離と無限遠でしっかりあっているかどうかなど

撮影して確かめます。

 

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Nikon F3 Ai-s105mm/2.5 距離約1m 絞り開放

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Nikon F3 Ai-s105mm/2.5 遠景 絞りf=8

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Nikon F3 Ai-s105mm/2.5 距離約1m 絞り開放


実写テストの結果を見る限り、問題なさそうです。




 

自分で整備するとまた愛着がわく。

実は以前、他のAiニッコールをマウント側から分解して、元に戻らなく

してしまった経験があります。(でもそのおかげで構造は把握できました)

今回は鏡胴側から分解をしてみましたが、うまくできたと思います。

(時間は約2時間程度。かかった費用はほとんど0円)

 

自分できれいにできたと思うと、このレンズにまた新たな愛着が湧き始めました。

やはり、レンズは使っていないとカビが出てきてしまいます。

出来るだけ頻繁に使ってあげようと思います。

 

 

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Nikon F3に装着したAi-s 105mm/F2.5  絞り「王冠」は外した。

 

 

 

 

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