失敗フィルムも救ってくれる優れもの!!
いわゆるLAW現像ソフトの「SILKYPIX 」ですが、デジタルユーザーばかりではなく、フィルムユーザーにも超便利な機能があります。
それは「ネガフィルム反転ツール」です。
一般的に、フィルムスキャナーに反転機能がありますので、あえてLAW現像ソフトで反転させる必要もないと思われがちです。
しかし、このソフトが優れているのは、濃度の低いフィルムでもしっかり描写してくれる点にあります。
フィルム現像失敗してしまいました。
寒い日に、現像液の温度を充分に上げず18℃で現像したところ、濃度の低いネガが出来上がってしまいました。
このネガをフィルムスキャナーで読み込んで反転させると・・・
と、こんな写真になってしまいます。この状態からコントラストや明るさ調整をしても、まともな写真にはなりません。
こんな時、「SILKYPIX Developer Studio Pro」の出番です。
ネガ反転ツールの使い方
- ネガそのものの状態をスキャナーで取り込む。
(スキャナーによっては「ポジ」設定で読み込む) - SILKYPIX Developer Studio Pro の「ファイル」タブから「ファイルを開く」で、取り込んだネガの画像を開く
- 「操作モード」タブから「ネガフィルム反転ツール」を選んでクリックする。
- スポイトツールが出てくるので、画像の最も透明な部分(真っ白な部分)を選んでクリックする。この作例の場合は車のタイヤ部分を選んでクリック。
- 「トーンカーブ」ツールがあるので、明るさを調整する。
グラデーションが豊かになる
SILKYPIXのネガ反転ツール使用した感想としては、スキャナーでの反転よりもグラデーションが豊かになり、全体にソフトな雰囲気な仕上がりになるようです。
私は、Plustek社の「OptocFilm 8100」というフィルムスキャナーを愛用しています。
以前、フラットベット式のフィルムスキャナーを使用していましたが、ピント精度が低く、いまいち満足できませんでした。
「OpticFilm 8100」はピント精度はとても高く、カラー再現性も良好で優秀なスキャナーですが、被写体内容によってはコントラストが高くなる傾向があります。
そんな時、ネガをそのままスキャンし(ポジモードでスキャンする)、SILKYPIXのネガ反転モードで現像すると、とてもしっくりいくことが多いです。
上の2つの作例はどちらも無処理なので、どちらが良い写真かと言えば好みの問題になるでしょう。
しかし、ネガフィルム反転ツールを手にしていれば、異なるグラデーションやコントラストの画像も手に入れることができ、それだけ作品つくりの幅が広がるのです。
今の時代、デジタルで写真を楽しむためにもLAW現像ソフトは必要ですが、フィルムユーザーにも、この「SILKYPIX Developer Studio Pro」はおススメしたい現像ソフトです。
まとめ
SILKYPIX Developer Studio Pro の「ネガフィルム反転ツール」は
- 濃度の低いネガフィルムなども立派に再現してくれる。
- フィルムスキャナーの反転画像よりもグラデーション豊かな仕上げができる。
- トーンカーブなどの豊富なツールで、そのまま画像処理ができる。
※SILKYPIX Developer Studio Proは現在はバージョン11になっています。
・おすすめのフィルムスキャナー
ピント精度良好。
簡単スキャンでも高画質。
高度な各種設定も可能。