こんにちはノブノブです。
最初に買ってからもう30年以上。当時は高価でかなり勇気を振り絞って(笑)買ったニコンF3(少しでも安く買うためファインダーはHPにできませんでした)
最近ひょんなことからモータードライブMD-4を激安で手に入れ、再びマイブームになっているニコンF3
今更ながらにこのニコンF3の紹介をしたいと思います
ニコンF3は実は使いづらい
いきなりですが、ニコンF3は使いづらいカメラだと思っています
その理由としては、
- 露出補正が使いづらい
- AEロックが使いづらい
- プレビューが使いづらい
- ピントや絞りの回転方向が他のメーカーと逆方向
自動露出のカメラなら、撮影時には頻繁に露出補正とAEロックを使います
理想は、両手のカメラホールディング(カメラ構えている状態)をほとんど変えずに
余った指などで露出補正やAEロックがすばやくできる構造になっていることです
一例を挙げると、私が使っているコンタックスのRXは、
カメラホールディングの状態のままで、右手の指で露出補正とAEロックを、
左手でプレビューが簡単にできます。
ニコンF3の露出補正
カメラ操作時、左上面に位置するのが露出補正です。
操作方法は、銀色のロックボタンを押しながら、露出補正ダイアルを回すのですが、
- ロックボタンがとても固い
- 補正ダイアルの指当たりにギザギザの切込みがなく、回しづらい
なので、左手だけではとても操作がしづらいのです。
私の場合、右手でロックボタンを押し、左手で補正ダイアルを回すというように、両手を使ってしまいます。
これは撮影中に露出補正を頻繁に行う自分にとっては致命的で、シャッターボタンから指が離れるので、シャッターチャンスがワンテンポ、ツーテンポ遅れます
ニコンF3のAEロック
ニコンF3のAEロックスイッチの位置は、正面左下です
位置的にはカメラを構えたとき、右手でも左手でも使える位置にあります
一見、使いやすそうに感じますが実は・・・
操作時は、ボタンをカメラ側へ押し込む形になります
結構深く押すので、右手の場合は薬指などを使うのですが、指が背伸びしている感じになり、カメラグリップに力が入らなくなります。
左手はピントリングを操作しているので、余った薬指などで押すのですが、やはり力がいるので望遠レンズなどの時は苦労します。
カメラボディ側へ押し込むという構造が問題なのでしょう
それぞれの指が向いている方向とは異なる方向へ力を入れようとするので、無理が出るのです
マウント側面についていてレンズ側に押し込む機構になっていれば、良かったと思いますが・・・
ニコンF3のプレビューボタン
プレビューボタンも結構多用します。
私の場合、ピントの範囲確認というよりは、アンダー露出にしたときの仕上がり雰囲気を確認するといった理由が多いです。
ニコンF3のプレビューボタンは右手で指を伸ばして押す位置にあります
とても深く押さないとプレビューできません。しかもまたまたカメラ側へ押すのです
完全に右手の力が全部そこに持っていかれて、グリップは甘くなり、シャッターは切りづらくなります
ゆっくりプレビューをするとき以外使えないというのが、本音です
ニコンのピントと絞りの回転方向
昔から有名な話ですが、ニコンとペンタックスだけが逆方向です。
私はその日の気分でカメラを持ち替えて撮影に出かけます
ニコンを使っている時は気を付けているのですが、やはり、とっさにピントを回すと思わず逆方向に回してしまい、ピントを外してしまいます
絞り調節も逆方向なので、よく戸惑います
現在はオートフォーカスですし、絞りもダイヤル方式で向きをカスタマイズできるので、メーカー間の回転方向の問題など実質なくなりました。
それでもニコンF3は大好き
いきなりニコンF3のマイナス点を列挙してしまいました。
では使っていないのかというと、むしろ多用しているのです。
その理由は・・・
道具としての安心感・安定感
私はコレクションとしてカメラを購入したことは一度もありません
全て撮影する道具として、使いきる気持ちで購入してきました
長く使っていてやはり一番重要なポイントは、どんな環境でも安心して使えるということでしょうか
私のニコンF3も今まで一度も故障したことがありません。
一度など車から降りるときにカメラを路面に落としてしまい、ファインダー上部をへこましてしまいました
しかし、全く問題なく使用できています。
常に裸で持ち歩き、あちこちにぶつけることもあります
各部の操作は、急いで全力でするので、丁寧な操作とはいいがたいです
でも、ガタやゆるみがほとんど出ていません。
(1か所だけ露出補正の1クリックが飛んでしまいました)
ほぼ全身金属の塊です。
だから重いです。(MD-4装着時のボディ重量は約1.4kg)
しかし金属だからこそ、実質的にも精神的にも安心感は抜群です。
持つ喜び・顔と声がとても良い
この当時のカメラは機械部分がほとんどです。
撮影時も「機械をいじっているー」という感触がたまりません
カメラのボディラインも直線が多用されていて、まるで大戦時の戦艦のようないかめしさです。
「男の道具!」という感じですよね
この顔ともういうべき正面からの容姿が堪りません
ニコンもこの直後のF4からは曲線の多用したボディラインになってしまいました
また古いニコンファンの多くが、シャッター音の良さを口々に宣います。
甲高い金属的なシャッター音がします。
実はこっそり撮りたいスナップには、この甲高い音が非常に邪魔なのですが、
この音にある種のエクスタシーを感じるの方が多いのではないでしょうか。
ライカの「コトン」というシャッター音も精神安定剤的な効果を出しますが、それとは違う愉悦感を得ることができます
メカニカルなカメラならではの快楽です。
デジタルカメラにはこうした楽しみが減ってしまいました
MD-4装着時の安定感は抜群。バッテリーも安心。でも凍てつく
最近、ある中古ショップでとてもきれいなMD-4を5,980円で手に入れました
スナップがメインの私には、モータードライブはあまり必要ないのですが、昔からそのカッコよさに惹かれて、憧れの機材でした。
何といっても「かっこいい」
グリップもほぼ直線ライン。
また、グリップしてみると意外と手になじむ。
大好きなAi-s 35mm/F1.4などの重いレンズや望遠レンズを付けたときなど、確実にボディ単体の時より安定感が増します
モータードライブ側から電源供給されるので、ボタン電池の心配をしなくても済むし、寒さにも強くなる。
重くなるしシャッター音もさらに盛大になり、スナップには向かないのですが、付けたら最後、外せなくなりました。
ただし、真冬はご用心。グリップ部も金属丸出しなので、素手で触ると冷たさに手が凍てつきます(笑)
メカニカルなカメラは快楽だ
名機特集などをする雑誌を見るたびに、ニコンは「F3」までだったのだと思う。
その後F4~F6、F100などのカメラも出ていたが、名機特集にはほとんど顔を出しません。
機能や性能は確実に良くなっているはずなのに・・
何故でしょうか
「その後のカメラにエクスタシーを感じなくなった」からだと私は思います
名機と呼ばれるカメラはスペック表には表現できない性能の良さが語られます
各操作部のクリック感のよさ、巻き上げフィーリング、回転リングの気持ちよさや精度、さらにはピント合わせやフィルム巻き戻しのスムーズさ、ピントが合った時の鮮明さ、ホールディングしたときの手触り、シャッターを切った時のかすかな振動・・・などなど
メカニカルなカメラはその一つ一つを人間が操作します。
その動作ごとにカメラの良さが指先を伝わって体で感じることができるのです
これこそが、メカニカルなカメラの快楽なのです。
今のオートカメラはカメラが自動で操作してしまうので、その感触を得るところが減っているのではないでしょうか
ニコンF3をいまでも使う理由
やっぱりその作りの良さや切れの良いシャッター音の故、最大限エクスタシーを感じられるカメラだからです。
その上、当時のニッコールレンズのカチカチのコントラスト描写を楽しめるのも理由の一つです。
最近のNikon F3作例紹介はこちら ↓
フィルムが無くならない限り、ニコンF3を使い続けるでしょう。カメラエクスタシーを感じながら。
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