ニコン銘レンズAiニッコール35㎜/F1.4Sをジャンクで見つけ、即買い。かつてのニコンらしい描写に感心。
最近、あるリサイクルショップでジャンク扱いのニコンの銘レンズ・Aiニッコール 35mm/F1.4Sを見つけました。価格はなんと約3,000円。
ジャンクの理由は、絞り羽根が全く動かない・・というものでした。しかし、レンズそのものは非の打ちどころが無いほど綺麗!
「もしかしたら自分でも直せるかも・・・」と思い、即買いしました。
自分で分解してみたものの、絞り羽根が油で固着してしまい、素人では手に負えなかったので、結局修理業者に出しました。でも、修理代は11,000円程度だったので、購入価格と合わせても、約14,000円程度でニコンのこの銘レンズが手に入ったことになります。
ちなみに、現在のこのレンズの中古相場は40,000円以上するので、とてもラッキーでした。
さて、さっそく描写力の紹介です。
今回も大好きな街・埼玉県川越の街をスナップをしてきました。
とろける様なぼかし味
焦点距離35㎜で開放F値が1.4というのが、まずこのレンズの最大の魅力です。
35㎜は準広角レンズなので、標準レンズに比べて被写界深度が深い(前後にピントの合う範囲が広い)ので、あまりボケ味は楽しめないのですが、F1.4ならかなり「ぼかす」ことができます。
川越を散歩していると、レトロな街並みや小道具に多く出会います。
昭和の雰囲気がかなり残っています。上の作例はある店先にディスプレーしてある「足踏み式ミシン」。
絞り開放で撮影。ピントが合っているのは、手前の輪だけです。あとはとろける様なボケが広がっていきます。
ややにぎやかなボケ描写でしょうか。
しっかりした質感描写は、さすがニコンですね。
次は、川越の蔵造通りにある有名な石造り建築のカフェ。
ウィンドーのCAFEネームとそこに反射する景色を撮りたくて、ガラスにググっと寄って撮りました。
こちらは、絞りF4に絞っています。
開放よりコントラストもあがり、クッキリした画像になりますが、すなおなボケ味です。
ニコンレンズの特徴=カリカリのシャープネス健在。
ニコンレンズは、他にもいろいろ使ってますが、その特徴はなんといっても「カリカリ」と言えるほどのシャープネス(鮮鋭度)と思います。
コントラストも強いので余計カリカリに感じます。時には強すぎて、白飛びしてしまうほど。
このAi-s35㎜/F1.4は、開放こそやや柔らかく感じるものの、F4あたりからかなりコントラストも上がり、ニコンらしい描写になってきます。
曇りで、白壁という状況でもともとのコントラストはさほど強くありませんが、しっかりとしたコントラストで、かなりクッキリした線の描写です。
よく見ると木肌の細かな線が極めて明確に描写できています。
このよどみのない明確なコントラストと鮮明な描写は本当に感心させられます。
クッキリとした描写が欲しいときは、やはりニコンを使ってしまいます。
アナログ時代のレンズは、絞り値で性格の違う描写が楽しめる。
ニコンに限らずですが、アナログ時代の銘レンズ、特に開放F値が明るいレンズは絞りの変化により性格の異なる描写が楽しめるのが、うれしいです。
デジタルになってから値段も高くなって性能もグーンと上がりましたが、絞りを変えても均一な画像です。画質の破綻が少なくなってきました。
これは当然喜ぶべき現象ですが、一方でレンズの癖が無くなり、「良く写る」が「個性的か」というと疑問が湧きます。
今回手に入れたニコンのAiニッコール 35mm/F1.4Sは、開放付近では柔らかい描写が楽しめ、F値を上げると本来のニコンらしい描写も楽しめます。
その差が結構ハッキリ画面に出てきます。
また、開放値F1.4ということでボケ味が最大限楽しめます。
今後自分の宝のレンズになること間違いないでしょう。