こんにちはノブノブです。
最近DIYのことばかり記事にしていて、写真の記事がおろそかになっていました。
今日はまた、フィルムで撮った写真のお話です。
アナログ画像をデジタル化
なぜフィルムで撮るのか
理由は、デジタルにはない独特の雰囲気があるからです。
実はデジタルならなんでも出来ます。デジタルで撮った写真をフィルム写真っぽくも出来ます。
でも、柔らかい雰囲気や立体感は、やはりフィルム写真の良い所です。
また、同じカメラで撮ってもフィルムを変えれば、色調や雰囲気を変えられます。
カラーネガで撮れば、柔らかく穏やかな写真。
リバーサルで撮れば、くっきりとして質感が出せる写真・・・
という風にです。
もう一つの理由は、フィルムカメラです。
私の使うフィルムカメラは、「機械」「道具」としての作りの良さが、とても気にいっています。
デジタルカメラは、どうもおもちゃっぽい感じがしてしまいます。
私もデジタルカメラも使っていますが、
今日は「撮影という行為そのものを楽しみたい」というときは
フィルムカメラを持って出かけます。
一枚一枚フィルムを大事にしながら撮影を積み重ねていく行為は、とても満足度が高いのです。
東京下町をフィルムで撮る
久しぶりに東京下町を歩いてきました。
上野駅を降りて、東上野~元浅草~合羽橋~入谷~上野駅というコースです。
この日は、キヤノンF-1にFD50㎜F1.4とFD85㎜F1.8の2本だけをもっていきました。
フィルムは、業務用のフジカラーISO100のネガカラーです。
このフィルムは業務用といっても中身は通常のフジカラーと変わらないと思います。
でも価格はとても安いので、よく使っています。
上野駅を降りたら、まず千曲商会という中古カメラ店に寄ります。
ここは、かなりディープな中古カメラ店で、よく掘り出し物を見つけます。
カメラやレンズばかりでなく、用品や部品など掘り出し物もあります
そこから、大通りを避けてわざと路地を分け入るように歩いていきます。
路地裏には、楽しい発見やその土地の風情が良く残っています。
合羽橋に入りました。午後の強い日差しが厨房商品などを扱っている店の軒先に差し込んでいます。
厨房機器が光って見える位置を探し、金属の反射を捉えるように撮影します
FD85㎜F1.8 は非常に線の細いきめ細かい描写をします。絞り開放で撮ると背景のぼかし味も非常に柔らかくてきれいです。レンズは小ぶりで持ち運びが楽で、スナップによく使います。
ウィンドウディスプレイは外からばかりではなく、店内からも撮ってみます。季節感や立体感がだせるからです。
入谷方面に歩いていくと、なんともレトロな三輪車が歩道にありました。たった今まで子供が遊んでいたような放置の仕方です。こんなレトロな三輪車で今の子供は遊ぶのでしょうか?
夕暮れ時を表現するには、路面の反射を捉えることが有効です。前景の三輪車と赤いかごがさらに下町感を演出しています
ネガカラーの露出は適正露出で撮ろう
さて、ネガカラーの撮り方ですが、リバーサルと違って、ほぼ適正露出で撮ります。そのほうが情報量が多いからです。ネガはアンダーなどで撮ると、黒は締まらなくなり著しく「眠い」写真になってしまいます
CDにしてから露出補正を行うので、撮影時は適正露出のほうが扱いやすいのです。
この日は24枚撮りを2本とりました。
翌日自宅近くのカメラのキタムラに持ち込み、現像とCD作成を依頼しました。
お店によっては2本程度なら1時間仕上げで出来てしまいます。
価格も現像料金とCD作成費を合わせて、1本1188円とリーズナブルです。
お店でのCD作成は200万画素相当の画質なので、それ以上の高画質を頼みたいときはKODAK現像所出しを依頼しましょう(価格は高くなります)
CDにしたら、デジタル加工ソフトで微調整をします
CDをパソコンに入れて画像を点検します
そのままでもほとんど使える画像ですが、気に入った画像は少し加工します。
加工といっても、コントラストを少々調整する程度です。
私個人としては、極端な加工はしません。
極端な加工をしなければいけない写真は撮影の失敗と考えています。
使っている加工ソフトはキヤノンの「デジタルフォトプロフェッショナル」です。
ほとんどの画像加工ソフトについている機能である「トーンカーブ」で、コントラストの調整をします。
合羽橋の写真は、厨房機器の金属感が出るように、コントラストを少し上げました。
入谷の三輪車は、かごの赤を強調する程度に全体を少し暗くしました。
加工の中心は、「撮影したときの意図や感情表現を助けるために」という考え方です。
ネガカラーのフィルムもデジタル処理することで、その特徴を生かしながらもリバーサルフィルムのような質感の強さを出すこともできます。今回も質感にこだわりながら明るさやコントラストを調整しました
フィルムのデジタル化はいわば暗室作業なのです
かつて白黒写真やカラーなどで暗室作業を経験した方はご存知と思いますが、フィルム写真を自分の気に入った作品に仕上げるのは大変な作業でした。また、暗室を持たない方はカメラ店やプロラボなどへ自分の意図を細かく伝えて仕上げてもらうのですが、うまく意図が伝わらず、何度もダメ出しをしてお店の方に嫌われるのが落ちということも多々あったと思います。
しかし今はデジタル化(CD化)してしまえば、モニターを見ながらマウス操作一つで自分の意図通りの作品作りができます。
そう、フィルムのデジタル化は明るい部屋での暗室作業のためなのです。
フィルムの特性を生かしながら、デジタル処理で表現の幅と楽しさを手に入れましょう
私は古いフィルムも、もっぱらこの方法で再度作品化をしています。